あめ

梅雨入りが発表されてから
だいぶ時間がたちますが
やっと梅雨らしくなってきた気がします
今日から一週間ずっと雨みたいですね(|||O⌓O;)
嫌ですね~癖毛と偏頭痛もちにはつらい季節です…

雨が降ると怖い話を読みたくなりますよね
と、いうわけで今日は少しだけ怖い話でも。

大学時代に友人が引っ越したというので
冷やかしもかねて数人で押しかけることにした。
友人のアパートは、大学生の下宿先としては
まぁこんなものだろうな、というレベル。
新築というわけではないが、古すぎるわけでもない。

アパートは三階建てだった。
入口に狭い階段があって
奥には一階の部屋につながる通路がある。
その向こうは駐輪場らしい。
友人の部屋は二回の角部屋だった。

その日は小雨が降っていて、
近所のスーパーで買いこんだ酒やつまみをぶら下げながら
友人らとそのアパートに押し掛けた。

入口の階段のところで荷物をいったん置いて、
傘を畳んでいると、友人の一人が
「わぁっ」と悲鳴を上げた。

「えっ、ちょっと何?どうした?」
「…いや、ちょっとびっくりした」

気まずそうな友人が視線で示す先
階段奥の駐輪場に続く通路を覗き込んでみると…
あっ、と思った。

薄暗い通路の電灯の下に
女が一人立っているのだ。
30代か40代くらいで長い髪をしていて
全身黒尽くめだった。
髪も真っ黒なので
駐輪場の暗闇を背にすると
白い顔面が浮かんでいるみたいに見える
彼女はその場でじっと立ち尽くしたまま
こっちを見ている。
いや、顔と目はこっちを向いているが
私たちを見ているわけではなかった。
ぼーっと遠くを見ているような感じだった。

これはびっくりするわ…と思いながら、
私たちは小さく会釈をして彼女に謝り
二階の友人宅に向かった。
友人の部屋に入るなり
私たちはさっきの女性の話をした。

「何か下に不気味な人いた」
「怖っ。ていうか、あんなところで何してたんだろうねあの人」
「え、アパートの人じゃないの」

アパートの人間なら、何故自分の部屋に入らないのだろうか。
そんな話をしていたらアパート住人の友人が

「引っ越したばっかりなんだから、
そんな怖い話をするのやめてよ」

とむすくれていた。

買い込んだ酒を飲んだりゲームしたりしているうちに、
すっかり女のことは忘れてしまった。
夜も更けて、深夜になるころに酒が尽きてきた。
そこで、友人二人がコンビニに買い出しに出ることになった。
私は部屋主の友人と待機である。

だが、5分もしないうちに
買い出しに出たはずの友人たちが戻ってきた。

「やっぱり、皆で行こう」
「あの女の人がまだいて怖い」

そんなまさか…。
住人の友人は不気味がっていたが、
酒が入っていることもあって肝試し気分で行くことにした。

階段を降りるとき
ちらっと奥の通路を覗き込むと確かにいる!

続きはまた今度。

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